22歳女子大生、S美さんの体験談。

「21歳のとき、友人にルームシェアを持ちかけられて…。共同生活ってドラマなんかで見て、オシャレだし、楽しそう!って、ちょっと憧れていたし、ひとりっこで甘えん坊だったせいもあり、今後自立できず、ずっと家にいられていても困る、友人と一緒なら危ないこともないだろう、なんて親からも快諾してもらえたんです。それで二人暮らしを始めました。

でも、二人で一緒に住んでいたのは二ヶ月ほど。友人のご実家でご不幸があって、彼女、実家帰省せざるを得なくなったんです。今解約しても敷金・礼金は帰ってこないし…。一緒に住む人も見つからなかったので、家賃は倍になってしまうけれど、私ひとりで住みつづけることにしました。

二人でシェアしあっていたときは、お金ってそんなにかからなかったんだけど、光熱水費や食費など、一人分だと割高になってしまうんですよね…。すぐに金欠になってしまって、時給の高い深夜バイトを始めました。明け方まで営業しているファミレスです。…深夜、部屋にひとりぼっちで眠るのがちょっと怖かったせいもあります。

帰宅は夜が明けてから。早い出勤の人や、早朝マラソンをしている人もいて、夜帰宅するよりよっぽど危なくないな、と思っていました。帰宅したら、すぐシャワーを浴びて、数時間寝てから、学校に行くという感じ。

その朝も、バイトを終えて、帰路につき、帰り道にある早朝から開いているパン屋で朝食を買って、自宅に帰り、シャワーを浴びてベッドでウトウト。なにか胸にあたるなあ、と思って目覚めたら…。

ベッドの脇に男性が正座していたんです。胸の辺りをまさぐってでもいたんでしょうか。私の寝姿をじいっと見ていたんですよね…!ビックリして、そのへんにあったものをありったけ投げつけました!雑誌、さっき買ったばかりの朝食のパン、ハサミもあったかもしれない…。その男は実に身軽な動作で窓からヒラリ!と外に出て行きました。ここは三階で、その窓の方角にはベランダもないのに…!と思ったら、なんと、その窓は非常階段に通じていたのです。

玄関はきちんと施錠してありました。鍵をかけてチェーンもかけてあった。非常階段に通じている窓に関しては、非常階段の存在も知らなかったので、やや無防備ではありました。しかし、窓は開いていても網戸の状態で、網戸にはロックもかかっていたし、なおかつ上下固定式のブラインドも降りていたのです。

調べると、網戸は枠から外され、ブラインドは一部ひしゃげていました。ブラインドの隙間から入れるくらい細身の男性だったのでしょう。

窓辺にはたくさんの荷物が置いてありました。もし、窓から侵入された場合、そのうちの何かに触れて壊れ、きっと気づいたはず。しかし、なんの音もしなかった…。よく見てみますと、置いてあった荷物は半分くらい移動されていました。もしかしたら、部屋に侵入するために、時間をかけて準備してたのかも…」。

体験者の方は、「早朝で明るいから大丈夫」と高をくくっていたのかもしれないですが、あなたの行動パターンはずっと見られていたのかもしれません。以前、同じように不法侵入の体験をした人に聞いた話なのですが、その人の場合、侵入者はどうやら新聞配達の男だったらしいのです。男の方も毎日、その家にやってくるのですから、外部の人が気づかない非常階段のことも知っていたのかもしれないし、侵入のための準備を行う時間もあったかもしれません。バイト先の人と一緒に帰宅するなど、不審者に尾けられにくい工夫をした方がいいのかもしれませんね。